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2021年06月の記事は以下のとおりです。

いないいないばあから

  • 2021/06/18

たんぽぽぐみのお友達はいないないばあで笑顔。

キングコングの西野さんのラジオで、絵本「いないいないばあ」は発売から50年間、今に至るまで毎年20万部売れているそうです。

「いないいないばあ」から来るメッセージ「この先はハッピーエンドですよ」を子どもたちは繰り返し受け止めて、その先が見たい!が膨らんで、そういうことが、この先を見てみよう、この先はどうなっているかな、につながることになるんじゃないかなー

昔、日本に来たイギリス人が、日本人のお母さんが赤ちゃんをおんぶして市場で買い物をしてて、赤ちゃんが泣かずに周りの魚を売っている人、走り回っている人、座って作業をしている人などをキョロキョロ観察している姿にビックリした、ということがありました。

「赤ちゃんは周りの大人を観察してるじゃないか!」ということが新鮮な驚きだったそうです。

ハッピーエンドの合図って子どもたちはその文脈にすっと引き込まれて静かになりますよね。これがちょっと長い物語でも、バッドエンドだと不思議と子どもたちの落ち着きがなくなるように感じています。

幼児になっても大人になっても同じ感じがします。


梅ジュース

  • 2021/06/17

さくらぐみのお友達は梅を使って梅ジュースにしました。子どもたちは本当の梅を間近に漬けて梅のエキスが出てくるところを見ました。

毎年、野菜の育ちを見せようと思ったら、子どもたちは「あ、ダンゴムシ」「あ、チョウチョ」とどちからかというと虫に興味を示すことが多いです。

ハチもアリも花の蜜など甘いものに寄ってくるし、人間もカロリーを求めて甘い物や油の多い食べ物が大好きです。

子どもたちが甘くて脂肪の多いスナック菓子やファーストフードが大好きなのは育ち盛りでむしろ自然な姿だろうと思います。

ただ主食や副菜を食べずにチョコレートや甘いスポーツ飲料などでお腹いっぱいになった、となると、大人は必要な栄養素が足りないと朝昼晩の食事を好き嫌いなく食べてほしい。

子どもに野菜を食べさせようとドレッシングをたくさんかけて結局野菜より砂糖と油の多いドレッシングを食べているようなケースもあります。

野菜が嫌いな子どもはホント多いですよね。

これを保育園の子ども集団であるクラスはどう考えるかですね。食べ物の好き嫌いをどんなふうに改善するかは永遠のテーマになっています。

そんなとき子どもにやかましく言ってストレスを与えながら嫌いなものや食べたくないものを口に運んでもらう、というようなことはしません。

私は子どもたちの食べ物の偏食や好き嫌いをどうにかしたいということなら、その子が食べるときのシーンだけを切り取ってその子に言ってきかせるだけではムズカシイように思います。

このさくらぐみの梅ジュース活動みたいに、あえて梅の実という植物にクローズアップしてみる、それがカタチを変えて自分の口に入る飲み物となる、そんな体験が一種の食わず嫌いというか、野菜に対する拒否反応というか、野菜さんに対する見方を少しずつ変えていくんだろうと思います。

食べ物の好き嫌いはその子の生活のトータルな一部分なんだろうと思いました。








マクガバンレポート

  • 2021/06/16

昨日園見学に来られた方が岩崎保育園の給食のことをご存知でした。

急に飛びますが、大西洋の北の方、グリーンランドに住むイヌイット(先住民)がアザラシの肉など肉100%の生活をしているのに、脳や心臓などの病気がヨーロッパ人に比べて極端に低いことの調査が行われました。

するとヨーロッパ人の食べる牛豚などの肉とアザラシの肉は同じ動物性の油でも質が違うことがわかりました。

アザラシや魚といった肉の脂肪は血液をサラサラにすることがわかりました。動物性の脂肪と植物性の脂肪と簡単に分けられないことがわかりました。

さらに進んで魚の肉についている脂肪はアレルギー疾患などにも効果がある、といったたくさんの調査結果が重ねられました。

ネットでn-3不飽和脂肪酸というのがそれでたくさん記事がヒットします。

当時はアメリカで生活習慣病の予防などの観点から国をあげて「マクガバンレポート」というものが議会で発表されました。そこには昭和30年代くらいの日本の家庭の食事が理想的だ、と指摘されました。ご飯に焼き魚や煮魚、イモや野菜を煮たりしたもの、といった組み合わせですね。

給食のことはまた触れていきますが、食事に関していえば、リラックスしてお友達と会話など楽しみながら食事してほしいと思います。

写真は上からサバの梅煮、それと豆腐ハンバーグ、レンコンのすり身揚げ、です。


忘れるわけではない

  • 2021/06/15

すみれぐみさんのお友達はお花のタネを植えて水やりにチャレンジしてます。

水やりをしてお花の芽が出て数カ月後にはお花が咲くでしょう、きれいなお花としてすみれ組のみんなに顔を見せてくれますし、野菜だったらおいしく収穫されるでしょう。

子どもたちの発達の順番として、何しても具体的なことから抽象的なことへ、という方向があります。
具体的な個物で遊びながら形・量・数を体験して算数学習に進む順番、具体的な先生やお友達との会話を通じて話し言葉を体験して文字や国語学習に進む順番、とあります。

算数や国語だけではなくて、子どもたちの発達としてはすべて同じ段階を進む、と見ます。

子どもたちには小さな体験でも大人になると思い出せないだけで、何らかの枠組み・メッセージはその人の中でずっと息づいている、と見ます。
もしこれがそうでないなら、教育・保育要領も学習指導要領も全面的に書き直さないといけないことになってしまいます。

今回のすみれぐみのお友達がタネを土に埋めて水やりのお世話をしてお花を楽しむ、という体験から何に進むでしょうか。それは子どもたちそれぞれによって違いが出てくるのだと思いますが、他のいろんな体験も折り重なって、「少しお世話をするとリターンがある」という思考につながるかもしれません。
とすれば、対人関係の場面でも受け身ではなく自分から人間関係を作っていく姿勢に転化するかもしれない。

冬になればお花は枯れてなくなるでしょう、その体験から、「今ここにあるものは当たり前にあるものではない」という思考につながるかもしれません。もちろんいきなりこんな思考にすっ飛んでいくことはないと思いますが、すると大人になって目の前の友達とか親とか社会的に接触する人たちへの見方が変わってくるかもしれません。

ほんの一例だけですけど、これを「ちょっとしたきっかけで対人関係は大きく変わるんですよ」「今ここにあるもの、目の前にいる人は当たり前にいる人ではないんですよ」と、いろんな体験を飛ばして言葉だけで教え込もうとしても、頭だけで理解しようとしても難しい、と考えます。

だから結局、難しいことはなく、子どもたちにいろんな体験を提供しよう、ということに尽きると思います。




アタッチメント

  • 2021/06/14

たんぽぽぐみさんではつかまり立ち、つたい歩きのお友達が増えてますます活発になりそうです。

たんぽぽぐみさんのクラスへ入園すると、なるべく特定の大人が食事や排せつの生活介助をします。
〇〇ちゃんにはなるべく~先生と特定して決めています。
~先生は休みの日があったりしますし、また遊びの時間はもっと広く大人とお友達に関わりますので、誰か特定の大人が遊びの相手と決まってはおりません。

これは愛着行動(アタッチメント)の考えから教育・保育要領に育児担当制として平成18年か、確かそのあたりから明記されました。

愛着行動というのは、ゼロ歳児は親とか、特定の大人に全面的に依存して、その特定との人との関りでその人を安全基地として、他の人に親しみを広げたり、探索活動をする、というものです。

愛着行動のことは古くから言われてましたが、それが育児担当制として教育・保育要領に明記されるまではけっこう時間がかかりました。

なるべく特定の大人が食事・排泄の介助に関わろうということで、たんぽぽぐみの保育者の一日は子どもたちの日課・時間帯において、どの大人がどの子の介助をする、とはっきり決めています。

それらの仕組みはクラスや園で共有していて、その仕組みは毎日繰り返すことでゼロ歳児にでも基本わかる、理解できていくととらえます。

小さなことでも習慣になれば、それ自体自分でできることがひとつ増えたことになります。

愛着行動についてはよく知られていますが、ゼロ歳児のような時期に、特定の大人を安全基地として全面的に依存する体験を積み重ねて、他の誰か、外界の遊びと自分の行動を広げていくことができる、というものですが、両親がいないような子どもであっても、里親だったり、施設の先生がアタッチメントの対象として成長する軌跡を辿ります。

周囲も手がつけられないような人が何か悪いことをしでかして警察のお世話になったようなときに、たまたまそこの刑事さんが親身になってくれたことから、そこから生き方が全く変わって以後、普通に暮らすようになった、というケースもアタッチメントの拡大版かもしれません。

牛や馬は生まれてすぐ立ち上がって歩き出し、人間の子どもは生まれてすぐ全面的に誰か大人に依存して養育される、これはみんな「一人になってはいけませんよ」というメッセージだろうと思います。


ピーマンアンテナって何

  • 2021/06/12

さくらぐみのお友達は園庭の畑でナスやピーマンを育てています。植物の栽培とか動物の飼育(ここでは飼育はありませんが)は詳しくは入りませんが、専門的に見ても相当の体験とメッセージを子どもたちにプレゼントしてくれるみたいです。

これは機会があれがまた触れるとして、子どもたちがナスやトマト・ピーマンの変化に関心を持ってお世話をする、ことをネライとした場合、子どもたちがどうも関心が薄いよなあ、という場合はどうでしょうか。

私は植物を育てたり、他の取り組みでも同じだと思いますけど、仮に子どもたちの一部がそれに興味関心を持つまでいかなくても、この場合だったら、ナスやピーマンにアンテナが立てばそれでよいと思います。

少なくとも、ナスやピーマンの赤ちゃんが目の前にあってすぐ「ピーマン!」と声が出たことはポンとピーマンにアンテナが立った瞬間だと思います。

それはお部屋に帰ればなくなって消えてしまうアンテナではなく、おそらく生涯の「ピーマンアンテナ」が出来た、ということでしょう。

これからピーマンを見れば少し大きくなったぞ、とアンテナに引っかかり、雨が降ればピーマンに雨が降っていると思ってアンテナにひっかかり、それを誰かに伝えようともするでしょうし、ピーマンを食べることを想像するでしょうし、大人になったら他の植物にも植物アンテナが立って町を通ることが少し気づきが多く楽しくなるかもわかんないし、料理に興味を示すようになるかもわかんないし、どんな野菜が体にいいか子どもに教えようとするようになるかもわかんないし、ピーマンの値段の上がり下がりを見て農家の事情や世の中の景気の動向を考えるようになるかもしれないし。

もちろん一日中ピーマンのことばっかり考えて夜寝るときもピーマンが出てきて眠れない!みたいなことにはなりません、そうなるのは嫌々ながら無理やり強制的にピーマン栽培をさせられた場合だと思います。だからこうした方法はとらないようにします。

まるで複利計算みたいに保育園で立てたピーマンアンテナが大人になってもたくさんの情報を拾い続け、その子の心身を助けてくれるんじゃないかな、という大切なアンテナだと思います。

そしてこれはピーマンアンテナだけじゃない、先日のシンデレラアンテナ、積み木アンテナ、わらべうたアンテナ、環境に応じて無数のアンテナが子どもたちに立てば、そこから雪だるま式に子どもたちの知識・ノウハウ・情操は育っていく、というサイクルになっています。

何か情報商材の売り込みみたいな言い方になっていますが、本当にそう思います。

なので、子どもたちのアンテナがぴょこんと立つように楽しい方法と楽しい活動の中でよりたくさんのアンテナを立てたいなと思います。

少し梅雨らしくなったんですかねー

後戻りできないから

  • 2021/06/11
わらべうたは決まった音階しか使わないそうで、これで子どもたちが引き込まれ笑顔になるのが不思議です。
このことは音楽のプロの先生もわからないと言ってましたが。

昨日の続きで、ティーンエイジャーのことは園のカバー年齢外なのですが、幼児期の発達を見る時くっきりするので簡単に見てみます。

ある程度の大人に対する信頼感や、いい悪いを区別することや、お友達と過ごして一緒に遊んだり葛藤したりの体験を積んではじめて、自己同一性 対 自己同一性の拡散の時期に入ります。だいたい13歳くらいから22歳ころまでとなっています。長いですね。
思春期です。

この時期くらいになると、自分のみんなの中での立ち位置とか、みんなからどのように見られているか、周囲や広く言えば社会から求められていること、などが客観的に見え始めます。
自分の欲求・プライドと、自分の立ち位置、社会からの要求に大きなズレがなければ心身ともに健康に発達するでしょうという感じなのですが、これが大きくズレていると葛藤も大きくなるでしょう、というところ。

みんなから客観的にどんなふうに見られているんだろう、みたいなところから鏡を見ることが多くなり、これまでの広く浅いお友達付き合いが、いつも何でも自分を認めてくれる親密な友達と一緒に過ごす時間が増えたり、大人からの期待が重苦しく感じ、時には彼らの世界がブラックに見えて反発したり、反発しなくてもギャップに人知れず悩んだりという世界に入ってきます。

これはみんな経験し通過する道でもあり、親友やメンターに恵まれればハッピーなんですが、幼児期・学童期から人に対する一般的な不信感とか疑惑、恐怖心が必要以上に強いまま、こうした時期に入るとどうなるでしょうか。これが「自己同一性の拡散」と呼ばれるものですが、ここでは述べません。

この時期に自分の立ち位置はここなんだ、自分はこんなふうな人と見られててそれは心地悪いことではない、「自己同一性=アイデンティティ」という難しい言い方をしてますが、これを獲得すると、次の段階へステップアップしていくことができる。

この時期に自分のアイデンティティを獲得できないと、ずっと同じ種類の悩みやお友達付き合いのパターンが続くということになります。

あ、自分はどうも対人恐怖感が強いから、3歳半に戻ってそこから仲間と過ごし直そう、と思ってもそんなことは出来ないので、保育園にいて過ごしている時期のタイミングを逃さないようにしたい、ということでもあります。


わらべうた

  • 2021/06/10

たんぽぽさんのお友達はわらべうたに包まれて笑顔に。マザーグースは外国のわらべうたですが、絵本になってて母と子が歌と絵本でやりとりして楽しむことができるとあります。
日本のわらべうたも絵本が出てないだろうか。

昨日の続きですが、6歳ころから12歳くらいまでの発達課題は 勤勉性 対 劣等感ですね。これも物々しい言葉です。

ちょうど園でいうと年長さん後半から小学校の時期までです。

1歳半から自分でいいこと悪いことを判断して自分で行動をコントロールできる芽が育ってくる、3歳半からお友達と活動する中でその子の思ういいこと悪いことを適用したり、自分の判断が受け入れられり拒絶されたりしながら、受け身にまわることなくお友達との関係を自ら築いていく態度が育ってくる、その後ですね。

これはお友達・仲間と体験や話、モノなどを共有することによって、将来集団に所属するために必要な相手と共存できるような生活体験を積み重ねる必要がある、くらいの意味合いです。
4,5歳くらいの幼児ならお友達と一緒に関わることの繰り返しですが、6歳ころから、お友達とモノ・コトを共有する体験の量がその後の発達にとって必要になってくる、という感じです。

たいそうなことではなく、給食当番としてオカズをお皿に不公平にならないように取り分ける、とか、一緒にサッカーをする、アンフェアなことがあれば抗議したり、トラブルになれば話し合う、おしゃべりから口ケンカもあるでしょうね、そういう共同体験の量が大事になってくる時期。

このお友達と何かを共有する体験が不足すると、自分の都合ばかり言って人としょっちゅうトラブルを起こすとか、要領がいいわりには相手に対する本当の支援感情が乏しく思いやりがないと思われてしまうとか、人にマウントばっかりしてて人が離れていくとか、いつも上から目線だったり人をコントロールして支配する傾向が顕著だったり、これらも社会に出るとどんどん自分の居場所を縮めてしまいますよね、こういう未来を避けよう、ということにもなります。

極端な例ですが、皆さんは園の子どもたちの集団はどちらの姿がいいですか?

1.みんなそれなりの個性があって笑顔が多く運動会や発表会の出し物や演目は多少デコボコバラバラしているけど、おやつのパンが2~3個足りない時はそれぞれのパンをちぎったりナンダカンダとみんなで分け合いっこするクラス。
2.みんな同じ姿勢で行儀が良く、笑顔が少なくて運動会や発表会の出し物は完成度が高く感動的で、おやつのパンが2~3個足りない時はみんな先生が何というかきちんと聞こうとするクラス。

実際にパンが2~3個たりなくなるようなシーンはありませんが、子どもたちのその後の将来を見たとき、自分の仕事、会社員でも自営業でも、自分のやるべきことにコミットできるか(勤勉性)、それとも自分のやるべきことを避けようとするか(劣等感)、この時期の影響が大きいとしたら、1の方がいいと思います。

ああした方がいいじゃないか、違うよこうしてみよう、パンをちぎってこれとこれが同じ大きさで・・・こういう輪の中にその子が入れているかな、入れていないかな、ポツンとしてたり、スネたり圧倒されたりしてないかな、我関せずの無関心だったり、そういうお友達を馬鹿にしてたりしてないかな、そんな見方もします。

お友達関係

  • 2021/06/09

ひまわりぐみのお友達は電灯で光と影の不思議を体験中。

3歳半から5歳くらいまで、の発達課題は積極性 対 罪悪感、ということですが、また深刻な言葉ですね。

これはざっくり言えば、それまで保護してくれる親とか保育士さんなどとの関係から、友達同士、仲間同士の関係に人間関係が広がっていきますよ、友達同士仲間同士の関係が良くなるように大人が手助けする必要がある時期、という感じです。

昨日みたいに友達同士虫を追っかけてるとか、写真のように友達同士懐中電灯をああでもないこうでもないと試行錯誤したり、そういうことを体験しなければいけない発達段階だということですね。これも当たり前のようですね。

この友達同士群れて活動する体験が不足すると、大人になってから、友達同士においても、仕事とか社会人としての行動においても、人ととの距離感がわからない状態が出てくるかも、というところです。

「子どもへのまなざし」にある話ですけど、ある人に対して、こちらが親しく歩み寄るとすっと避けられてしまう、関心がないのかと思って止まると相手は何らかの関りを求めて近づいてくる、こういうタイプの人とか確かにあてはまりそうです。

人と関わりを求めているんだけど、過剰に評価を恐れたり、変な人と思われたらどうしよう、とか、何かいい人と思われなければならない重荷がどこかにあって人が来ると緊張するとか、一緒にふざけたり何をしても許される関係なら普通だけどきちんとした場では急に卑屈になったり、エリクソンの言う罪悪感みたいな感じですね、本人は自分はなんて繊細なんだろう、などと苦しんでいて、周囲の人たちからすると腫れ物に触るような思いをしている、こうした生きづらい思いをしている人はけっこうたくさんいるみたいです。

現場では、こちらに無関心なのかと思っていたらこちらの一挙手一投足を観察していたり、何か優しい言葉をかけるとガバーッと来て密着する、これはこうしなければいけないよ、と言ったらバサーっと離れてお前は敵だー!みたいになる、イロイロ話しているとまたベターッとくっついてくるけど、何かチラっと本音を言うとどーっと引いて身構えるみたいな、幼児くらいの年齢ではこういうことを繰り返して友達関係を築いていく体験が必要なのだ、という意味で、この体験が不足すると、これらの行動が大人になっても出てくる、ということになります。

園の中では、このお友達同士活動する、という体験が少ないまま、みんなで先生の方を向いてワーク帳ばかりしているとか、長期間みんなで先生の方を向いて行事の練習ばかりしているとか、そういった状態を避けよう、という趣旨でもあります。









昆虫図鑑

  • 2021/06/08

すみれぐみのお友達はサーキットに図鑑と虫カゴを持っていろんな昆虫に出会っているみたいですね。昔から「虫のふしぎ」とか「これが日本の昆虫だ!」とか図鑑は変わらず子どもたちに人気ですね。昭和から夏の風物詩みたいになっていますが、虫やトマトのお世話をして興味シンシン観察する年代。

1歳から3歳前半ころまでは、心理的課題として「自律 対 恥、恐れ」の間を行ったりきたりするのだ、という発達段階がありますが、すみれぐみさんの今頃はちょうどそのクライマックスみたいな時期ですね。

1歳ころから「自律」とは早いような気がしますね。これは「自立」ということではなく、「自分で判断する芽を育てるんだ」みたいな意味ですね。

1歳ころの子が積んでる積み木に手を伸ばしたらガシャン!と崩れてしまった、その子は周囲の大人や親の方にすぐ顔を向けて、大人の反応を確かめますね、大人は「いいのよ」という受容的な表情をしたり、「こっちで遊ぼう」など大人がそばでその子の行動に反応していきましょうね、とざっくりそんな意味です。

その子はそうして周囲の大人や親の反応を確かめながら、自分の中で参照枠というか、いいこと悪いことなどを覚えていく、そうして自分が行動するに際してこれはいいことか悪いことか、どこまで具合がいいのか危ないことなのか自分で考えて判断するような大人になっていく、いうことですね。

聞いた感じ当たり前のような気がしますが、子どもが積み木を触ってガシャン!と崩れた、その子が反射的に振り向いたら極端に恐ろしい形相をした大人がいて、ひどく怒鳴られたりすると、その子は積み木がどうのこうのという前に大人を怒らせない方に自分の行動を調整していくでしょう、「恥、恐れ」の感情ですね、逆に何をしても優しい優しい態度だったらその子は何がよくて何が具合が悪いのかわからなくなってしまう。

誤解されがちですが、何でもその子の言うことなすこと優しく受容する、というのはマズイ。その子がイケナイことをしたら「いけません」「それをしてはいけません」ときちんと表情などでその子に伝える必要があります。

また同じように積み木が崩れてその子が大人の方を振り向いたら誰もいなかった、または、その子が手を伸ばして積み木が壊れる前に大人が先回りしてササーと積み木を片付けてしまった、という場合なんかは?

その子が自分の中で何がいいのか悪いのかの枠が育たず、何がどこまでいいことなのか悪いことなのか内容や程度がわからず、何が人から喜ばれ何が人を怒らせるかわからない状態になり、大人になったときに自分で判断せず、いつも人の目を気にするしかやりようがなくなったり、人が見てないからやってもいいだろう、とか、人が見てる前だけいい人になっておこう、とか、逆にいつも対人関係が悪くなるので開き直ってスネた感じの人になったり、あまりよくない未来が造り出されるかもわからない、ということですね。

エリクソンの発達の話は、いろんなシーンで役に立ちます、ネットでもたくさん出ています。

その子は自分で自動的に自分の行動の意味とかルールがわかるようになってなくて、スタートは周囲の大人の態度に依存しているということでもあります。








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