給食についてLUNCH
認定こども園岩崎保育園の給食について
日本人は脳梗塞や脂質異常症の背景にある動脈硬化を起こしにくいというデータがあります。
日本人の食生活の中で、魚、みそ汁や納豆などの大豆食品が多く、日本人4万人を対象にしたデータでは魚の摂取が多いグループは少ないグループに比べて不健康な動脈硬化の疾病の発症率が40パーセントも低くなっています。
また、女性に限って、大豆の摂取量が多いグループは少ないグループに比べて、脳梗塞の発症率が約3分の2に、心筋梗塞の発症率が約半分になっているという事実も明らかになりました。
また、日本人の多くは胃酸分泌量が欧米人の半分程度しかないと言われています。
胃の中では、ご飯のようなデンプンを「アミラーゼ」といった胃の酵素で消化しますが、もともと胃酸の少ない日本人はご飯を時間をかけて胃の中で十分にアミラーゼで消化してから腸に送り出すのに適した形をしています。
これに対して欧米人は伝統的に肉食が中心でした。
肉のタンパク質と脂肪の消化は胃ではなく小腸が舞台なので、欧米の多くの人の胃は大量に胃酸を出して、食べ物はすみやかに胃を通りすぎて小腸に入るために適した形をしています。
これらのことは、日本人はやはり昔から「ご飯を主食に副菜(納豆・豆腐・野菜・魚など)のおかずを食べる」、というスタイルに適していると言えそうです。
他にもさまざまなデータが報告されていますが、これらを見ると、生活習慣病は子どもの時からの食事習慣の積み重ねの要因がとても大きいと言われます。
そうであるなら、幼少期からの食事習慣については、難しく深刻にとらえなくても、シンプルに昔から日本人が食べて来た伝統的な家庭料理を食べる習慣をつけていれば、成人病対策として大きく間違うことはないと言えます。
同時に乳幼児期からの塩分の多すぎる食事・濃い味付け・スナック菓子などに注意する必要があります。
伝統的な食生活の知恵~奥田昌子
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c08003/
そこで、岩崎保育園の給食は、和食中心の薄味・野菜・大豆・魚を多めに取り入れた食事を提供しております。
乳幼児期から納豆やダシ汁などの繊細な味や香りの感覚を育むことは、将来にわたっての食習慣に大きく影響し、結果としてさまざまな疾病のリスクを減らすことも大きなねらいとしております。
認定こども園岩崎保育園では、平成18年から和食中心の給食を子どもたちに提供しております。管理栄養士によって計算されたメニューを子どもたちはおいしく食べています。
最初は、魚は子どもたちは食べないのではないか、納豆は苦手な子が多いのではないか、などの懸念もありましたが、実際に実施してみると、魚や納豆は子どもたちは大好きでした。
和食中心の給食を提供しているうちに気づいたことは、子どもたちは胃腸に負担のかからないご飯、味噌汁、魚などのメニューを好む、という単純な事実でした。
子どもたちは濃い味の脂っこいハンバーガーやフライドポテト、スナック菓子や砂糖のたくさん入った清涼飲料水が大好きだという先入観が何となくありましたが、和食中心の給食の提供でわかったことは、それは子どもたちの置かれた環境に左右されることが多い、ということでした。
近年は、日本人の内臓の形や消化するための力などが欧米人などとは異なっていることがわかっており、そのため日本人に最適な食事を裏付けるデータがさまざまに報告されております。
納豆や豆腐や魚が好きだ、という子どもたちであれば、将来のこの子たちの健康度も大きく変わってくると考えております。
(認定こども園岩崎保育園では、子どもたちの活動の様子や毎日の給食献立 の写真をスマホアプリ「キッズノート」で配信しております。)