早期回想
- 2021/07/27
ちゅうりっぷぐみのお友達は夏野菜真っ盛りを見ています、「トマトさん」とか絵本があるじゃないですか、あれいつでもベストセラーみたいですが、小さな子どもはお野菜さんに顔があって話をする物語が大好きですね。自分たちの仲間だ、と思っているかもしれません。
昨日の話の続きで、小さなころの思い出としてこういうケースがあります。
「私はゼンソク児だったので、夏になると花火の煙を吸ってはいけなかったから、お友達が花火をするとき、いつも遠くに離れてそこからお友達が花火をするのを見ていた。楽しそうだった。お友達が 花火の向きを間違えて、私の方に花火の火が飛んできた。怖かった。」
この早期回想からこの人が自分に言い聞かせているテーマは何でしょうか。たぶん「私は犠牲者だ」みたいなものだと思います。
同じ思い出でもこれが次のように語られるとどうでしょうか。
「・・・私の方に花火がの火が飛んできた。怖かった。こっちに向けるな!と私は怒鳴った。あちらで大人が気をつけろ!と怒る声が聞こえた。きっとその子を注意してると思った。」
こうなるとこの人の早期回想のテーマはまるで変わってくるでしょう。少なくとも私は犠牲者や被害者だ、的な物語ではないでしょう。
なんでしょうね。「私が当事者でなくなると周囲はゴタゴタする」ですかね、こうやって推理してみるのも興味深いです。するとこの人は「私はとにかく傍観者ではなく、当事者でいよう」という物語を持っているかもしれない。
こちらの「思い込み」の方が大人になって社会生活が健康的に過ごすことができそうな感じがしませんか?
子どもたち同士でケンカはもちろんなるべくしない方がいいけど、葛藤する体験が全然少ない、というのも将来を考えたとき心配です。
社会生活の中で、間違い、誤解、過失などは小さなものはしょっちゅうあります、それをある程度自分で処理していかないといけなくなります。誰かが全面的に代わりをしてくれる子ども時代はいつか終わります。問題はそれからになります。
次は別のケースの早期回想を見てみましょう。