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仲間と友情と競合と依存の関係

  • 2021/06/04
さくらぐみのお友達が「みち」絵本からサーキット活動につなげました。今はお友達同士の遊びがほとんどになってきた、とのことです。いいですね。

赤ちゃんは大人に全面的に依存する関係で、クラスが進級するにつれ身の回りのことを自分で少しずつ少しずつしようとして、心身ともに自分で出来ることが増えると同時に自分のしたいことも増えてきて、自分でいろんなことができるようになる、対人関係ではだんだんお友達同士でああでもないこうでもない、ああしようこうしようと一緒に過ごす時間が増えてくる、という、クラスの子ども集団として、いい方向に向かっています。

子どもたちの対人関係は(大人でも同じですが)、依存関係、競合関係、仲間関係の3つにざっくり分けられると思います。

まずひとつめ、競合関係。これは子ども同士がどっちが上でどっちが下か争っている関係、大人で言うマウントですね、または俺は上なんだぞとお友達を見下したり支配しようとする関係、または自分は下なんだと卑屈になる関係といったことです。
ただ、決められたルールの下で、競うのはこの時間帯、この場所で、で限定したうえで、裏表なく公正にジャッジする条件のスポーツは勝ち負けや順番を競ってはいますが、争ってはないと見ます。

これ大人の世界でも多いというか、ひょっとしたら半分かそれ以上そうした関係の中で動いてないですかね。
権限のあるオフィサーが権限のない人に対するハラスメントもそうだし、逆に変に卑屈になって被害者として人の揚げ足をとることばかりに莫大なエネルギーを使っている人も同じ競合関係とみます。

次に、ふたつめ、依存関係、赤ちゃんは依存することが自分で生存と発達のためプログラムされた戦略ですから、周囲の大人にかわいがられて衣食住すべて大人がそその子に代わってするのはもちろんです。

不都合な依存関係もあります。赤ちゃんではない年齢になっても、人がその子のできることを代わりにやってあげるとしたら、その子は自分でできることをしなくてよいので、赤ちゃん返りするでしょう、言動が赤ちゃんの方に退行することもあるでしょう。
肩代わりしている大人は良かれと思ってしているでしょうし、されている子どもは赤ちゃん扱いされて心地よく感じて赤ちゃん返りする。
対人関係上、一方は何かの動機で気持ちがいいのでしなくてよいことをする、一方はしなければならないことを人に肩代わりされることが当たり前になる、これが相互依存のひとつの型ですが、これもまた、大人同士でもとても多い現象です。

また例えば、ある人が何かの理由で気持ちがいいので、特定の人を標的にして悪口を言う、聞かされた方は何かの理由で無条件にそうだよねと共感する、共感された方は心地よくなってさらに悪口を言って共感してくれた人に共感する、そしてずっとその状態がループしていく、終わらんやん、という型もあります。

依存関係が不都合なのは、子どもの自立が妨げられるから、というのもありますが、実際に怖いのは薬物にでもお酒にでもギャンブルにでも人にでも依存している人というのは、依存していることに何かの快感を感じていて、困ったことにそうやって心地よく感じると、もっとお酒を持ってきて、もっと共感して、もっと私を見て、もっともっと・・・といつまでも続いてエスカレートしてしかも抜けられなくなることなんです。よくある依存症ですね。あまり本人に悪いことをしている、マズイことになってるという自覚がないために根が深いとも思います。

お酒とかギャンブルまでいかなくても、ネットで「対人依存症」とかで検索してみてみるとズラズラいろんな記事がヒットします。メンタルの病気の入り口でもあるので、気を付けなければいけないなと思います。こればっかりはですね、愛情かエゴか、シェイクスピアに出てきそうな永遠のテーマみたいです。

ですので、大人はともかく、幼児さんの生活の中で依存シーンがないかどうかは保育現場にいる人は注意して観察します。

では、みっつめ、仲間関係。幼児さんのクラスの人間関係はこっちの方向を目指しています。また次回に。


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