小さなころの思い出について
- 2021/07/24
たんぽぽぐみのお友達は海の中散歩。
前回の続きで、私たちはみんな幼少のころの思い出の一部を切り取って一生それを自分の中に保管しています。
その思い出は生まれて一番最初のものから順番にけっこう鮮明に周囲の情景や人が言ったこと、自分の気分や気持などを覚えていると思います。
これらの私たちの早期回想は単なる思い出というだけではなく、自分自身に特定のメッセージをずっと発し続けていると考えられています。
たんぽぽぐみのお友達が窓のお魚に手を伸ばそうとしている、もしこの子がこのシーンを切り取ってずっと覚えているとすれば、この子は自分自身の中にあるメッセージを自分自身に発し続けて過ごしていくでしょう。
たぶんそれは「上昇しよう」「私は関わろう」という感じのものだろうと思います。そしてこのメッセージは今後この赤ちゃんをいい感じの方向に導いていくでしょう。
例えば、これがよくない早期回想だったとき、「お兄ちゃんがお父さんにひどく叩かれていた。僕は見ていることしかできなかった。」という思い出を覚えているとすると、この早期回想がこの子自身に発するメッセージは何でしょうか。
たぶんそれは「自分は無力だ」といったものでしょう。そこでこの子はそのメッセージからどんな自分の性格を作り上げるでしょうか。たぶん「傍観者」となる方向だったりするでしょう。
いろんなことを自分事としてとらえない、やる前から恐れすぎる、みたいな傾向の人はなかなか生きづらいかもしれません。
こうした早期回想を持つ人が家庭で、職場で、友達付き合いで、何となく暗いものを投げかけてしまうことってないんでしょうか。心理的にはある、と考えます。
いろんな小さなころの連続した思い出がその子の特性をカタチづくっていきます。もしそれが建設的で前向きなものだったら、大人になって少々ひどいこと言われたりしても精神的に参ったりしにくいはずなんです。
大人の場合は、この早期回想に対する自分の解釈を変えれば自分自身が大きく変わります、そういった方法もあるんですが、ちょっと専門的なので、保育の現場では、なるべく肯定的な、生産的な、建設的な、勇気づけとなるような早期回想づくり(思い出作り)を子どもたちにしていきたいです。
難しいことではありません。だから子どもたちには楽しく面白い活動をしていきたいです。